この本の始まりは、15年ほど前に刊行した一冊の著書だった。それは、捨て犬のトレーニングを通して、少年院の子ども達を更生に導くプログラム。この本を読んだ若い女性は、そのプログラムを日本に取り入れるため、アメリカまで行き、プログラムの視察をする。そして、日本で社会に出ることができない若者(引きこもりやニート)たちのために自立支援施設を立ち上げる。人間不信に陥った犬と、社会に順応できない若者たち。それぞれのハードルを越えていく中で生まれる絆・・・。その絆が、もっと高いハードルを越える勇気をもたらし、人と犬を大きく変えていく。人も犬も変わることができる・・・。日本の社会問題にも焦点を当てたノンフィクション。たかが、児童書、されど、児童書。子どものノンフィクションの可能性を感じさせてくれる一冊。
小学校高学年~
定価1400円+税
金の星社 刊